今に続く4ドアクーペブームの端緒を開いた美しい初代とはうってかわって、男性的でアグレッシブなスタイルとなった。女性的な先代も好きだったが、アグリーさを強調するコチラの方がエレガントに思う。いずれにせよ、難しいモデルチェンジだったはずで、“まるで違う”ように見せることもまた、選ぶべき方向性だったか。新しい直噴エンジンのフィーリングがいい。よどみなく滑らかに吹け上がるさまが心地よく、急な加速にも直噴独特の雑味や躊躇いがない。微速域におけるマネージメントもよくなった。クルマ全体の乗り味も、『Eクラス』よりフラットかつ上質で、すべてのレスポンスもダイレクトで自然。金属バネよりもエアサスが気に入った。全てに新世代となったAMGモデルの「CLS63」も、捨て難い。乗り心地はポルシェのようにハードだが、直噴V8ツインターボのもたらす怒濤の唸りと加速はヤミツキ系。分かりやすさでは、当然、自然吸気6.2リッターを上回る。ベストは、ノーマルに、パフォーマンスパッケージ(+110万円)ではなく、カーボンセラミックブレーキ(+140万円)を加えた仕様。酔狂でお大尽な仕様だが、乗り心地がかなりよくなる。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★オススメ度:★★★★★西川淳|自動車ライター/編集者産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。
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