【新聞ウォッチ】自動車国内生産「回復が鮮明」でも“6重苦”

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ホンダ通期見通し発表会見(6月14日)
  • ホンダ通期見通し発表会見(6月14日)
  • VQエンジン(日産いわき工場製)
  • 富士重群馬製作所矢島工場
  • 日野羽村工場(写真はトヨタFJクルーザーの受託生産)
  • トヨタEV充電器、G-ステーション・タイプA
気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年6月15日付

●首相月内退陣しぼむ、民主国会60〜90日延長視野(読売・1面)

●ホンダ、営業利益64%減、12年3月期予想、震災や円高影響(読売・10面)

●景気回復へ成長力底上げ、日銀 中小企業の資金調達支援(読売・11面)

●電動バイク脚光、被災地でも重宝、排ガスなし、安い燃費(読売・16面)

●家電エコポイント経済効果「5兆円」(朝日・7面)

●自動車国内生産回復基調が鮮明、部品供給、徐々に改善(朝日・8面)

●日産いわき工場復旧の記念式典(朝日・8面)

●保安院所管法人、安全弁検査ミス、福島第一,加圧不足見逃す(毎日・1面)

●株主総会今月29日ピーク、電力原発撤退提案に苦慮、震災の影懇親会自粛も(産経・1面)

●EV充電スタンドトヨタが来月発売(産経・11面)

●中国インフレ警戒感強く、食品高、農村を直撃(日経・3面)

●電気自動車、コンセントなしで充電、IHI米ベンチャーと開発(日経・11面)

●日野自動車、4期ぶり最終黒字、今期、新興国など好調(日経・13面)

●生産正常化、富士重、1か月前倒し、日野、いすゞも調達改善なども(日経・13面)

●自動車部品大手5社、4社が最終減益、今期上期の落ち込み響く(日経・13面)


ひとくちコメント

日本銀行が金融政策決定会合で、「景気は持ち直しの動きもみられる」と東日本大震災の発生後初めて景気の現状判断を上方修正したという。サプライチェーン(供給網)の復旧などで、自動車などの生産が予想した以上に早く回復しつつあるとみているからだ。

きょうの朝日によると、「トヨタ自動車と日産自動車はすでにほぼ通常の生産に戻り、今月下旬にはホンダもこれに続く」など、「国内の自動車生産の回復が鮮明になってきた」と報じている。

財務省と内閣府が発表した法人企業景気予測調査(政府短観)でも「7~9月期以降の景況判断はプラスに転じる見通し」を示している。工場復旧や復興需要を見込んでいると見られ、震災の影響はそれほど長引かないという見方が多いようだ。

ただ、懸念材料も山積する。日銀の白川方明総裁は原子力発電所の運転停止による電力不足が長引けば「(中長期的に)日本経済への影響は非常に大きくなる」と語り、とくに「製造業の生産コストや日本への投資」に影響が及ぶ可能性があると指摘。将来的に日本経済の実力を示す潜在成長を下げるリスクがあるとして、警戒感を示したと、日経が伝えている。

円高で収益が悪化することについても頭痛のタネ。日産の志賀俊之COOが「これだけ現場が頑張っているのに、円高で(利益を)もっていかれて本当に悔しい」と、同社のいわき工場でのエンジン生産が600万基達成の記念式典の場で話していたという。

しかも、自動車などにとって極めて重要な中国市場だが、広州市で出稼ぎ労働者による大規模な暴動が起こったり、インフレの警戒感が強まっていることもマイナス要因。生産現場がスピード回復したとはいえ、自動車業界は円高、税金、自由貿易協定(FTA)、労働規制、温暖化対策、電力問題の「6重苦」を抱えている中で、この先も成長のテンポがトントン拍子で上向くかどうかは注意深く見守る必要がある。
《福田俊之》

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