三菱レイヨンとSGLグループの合弁会社のMRC-SGLプレカーサーは、4月から大竹事業所で炭素繊維の原料であるポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維プレカーサーの量産を開始した。
製造したプレカーサーは、SGLとドイツのBMWの合弁会社であるSGLオートモーティブ・カーボン・ファイバーズに全量供給し、米国ワシントン州の同社炭素繊維焼成工場でラージトウ炭素繊維に加工された後、ドイツバイエルン州にある同社中間材工場で各種織物に加工される。
ラージトウ炭素繊維製織物は、BMWの部品工場で炭素繊維複合材料(CFRP)に成形加工され、BMWが2013年に発売予定の量産型電気自動車メガシティビークル『i3』シリーズに全面的に採用される。
MSPの生産能力は、当初3年間に間7000tまで引き上げる計画だ。
三菱レイヨンとSGLは今回の合弁会社設立を機に、提携関係を強化、今後拡大の期待できる産業用途分野での用途開発にも取り組む方針だ。