「一番最初にあった地震の揺れはもう本当にすごくて。あんな揺れは生まれて初めて」と語るのは、田代島に在住する畠山さん。島に住む猫たちにエサを与えるおばあちゃんとして、メディアに取り上げられることも多い。
「最初はカタカタして、地震かなあと思うだけだったけど、そのうちに突然大きくなって。立っていられないほどの揺れなので怖かった。幸い、家の建物は大丈夫でした」
「このあたりの人たちはみんな漁師で、津波の怖さは知っているからすぐにマンガアイランド(高台にあるキャンプ場)に逃げて。観光客の女の子がいたけど、自衛隊のヘリコプターが救助にやってくるまで一緒にいました。めったにない体験だろうけど、8日間も島から出られないとは思っていないからねえ。ちょっとかわいそうだった」と畠山さんは言う。
畠山さんの家の周囲に集う猫たちは「震災からしばらくは食欲が無かった」そうだ。ところが今はその反動なのか、それとも生存本能なのか、普段よりも食事をねだるようになったという。