12月1日、静岡県浜松市のTakayanagiは、東京都内のホテルでマイクロEV『ミルイラ』を発表した。原付一種登録のミニカーEVで630万円という価格設定について、代表取締役の高柳力也氏は次のように語った。
「ミルイラは浜松のものづくり技術を結集した、マイクロEVのフラッグシップと考えています。ですからフレームはアルミパイプ製、サスペンションは4輪ダブルウィッシュボーンとし、運転席には天然木材をおごりました。しかもすべて職人による手作りです。ガソリン車でいえばモーガンのような存在といえるでしょう」
Takayanagiでは今後、コストダウンを進め、大量生産に適したマイクロEVの投入も考えており、すでに開発をスタートしているとのこと。これらは観光地でのレンタル、地方でのカーシェアリングにも提供したいという。
「過疎化が進む地方では、人口の減少にともない、ガソリンスタンドの閉鎖が相次いでいます。1回の走行距離は数kmなのに、給油のために数十kmを往復しなければならないという話も聞きます。コミュニティバスの運行には膨大なコストが掛かります。こうした地域にマイクロEVを提供することで、生活に役立ててもらえればと考えているのです」
TakayanagiのマイクロEVは、地元浜松のものづくり文化を次世代に継承するだけでなく、交通難民やガソリンスタンド難民に象徴される地方のモビリティ問題まで考慮に入れて開発を進めている。サイズこそ小さいが、そこに込められた想いは大メーカーの量産車以上に大きいといえるかもしれない。