富士キメラ総研は、最終製品の塗装などに使用される機能性塗料・コーティングの市場調査を実施、結果を報告書「2010年版機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」にまとめた。
機能性塗料・コーティングは、自動車、電気機器・家電製品、建築・土木資材、日用雑貨など様々な被塗物の美装や保護などを主な目的に施している。
調査結果によると2009年の機能性塗料・コーティング市場は、需要先となる自動車、電気・電子、建材などの各産業が落ち込んだことで前年比13.9%減の6614億円と大きく縮小した。2010年は需要先の各産業が回復基調にあることから、機能性塗料・コーティング市場も反転し、同7.2%増の7091億円を見込む。
今後、2014年まで年率1~2%程度の拡大を予測する。しかし、需要先となる各産業が海外へ生産拠点を移転していることや、公共事業削減によるインフラ投資の減少、住宅着工件数の減少などにより、国内の機能性塗料・コーティング市場は厳しい環境にあり、2014年でも2007年、2008年の市場規模には及ばないと予測する。
日系メーカーは、環境対応製品や高機能製品の投入、中国など、今後の需要拡大が期待されるアジアの新興国などへの海外展開を積極化すると見ている。
このほか、調査では、電気・電子・光機能6品目、物理・化学的機能14品目、熱的機能4品目、環境対応型9品目、その他注目用途9品目の5分野全42品目について市場の現状を分析し、今後を予測している。