【GARMIN Edge500 インプレ】バーチャルトレーナーはモチベーション向上に効果

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付属のソフトウェア「トレーニングセンター」
  • 付属のソフトウェア「トレーニングセンター」
  • 付属のマウントを2本のゴムバンドでハンドルに固定。マウントの裏はゴムシートなので自転車を傷つけることはない
  • マウントとEdge500本体の固定はまさにワンタッチ。自転車から離れるときは片手でサッと取り外して持ち歩ける。
  • スピード/ケイデンスセンサーはこの位置に取り付ける。突き出たアームはスポークとの位置を調整するため。写真はまだ仮止めの段階で、マグネットを取り付けてから微調整する必要がある。
  • 筆者の自転車では、クランクに取り付けるマグネットにスペーサー(といってもただの木片)を挟まないと磁力を感知できなかった。
  • アラート機能に心拍を設定。無酸素運動になってしまうとすぐに知らせてくれるようにする。
  • 設定した範囲から新画数が外れると、電子音と共にこのようなメッセージで知らせてくれる。また、平均心拍や心拍ゾーンをディスプレイに表示することで大体の心拍数を走りながら知ることができる。
  • アラート機能は他にも様々なデータを設定できる。

GPSと3つのセンサーを備える多機能サイクルコンピューター『Edge500』。実際に使用してワークアウトをしてみよう。

本体の取り付けは簡単だがセンサーは工夫が必要な場合も

今回は筆者愛用のクロスバイクに取り付けた。まず本体を固定するための専用マウントをハンドルなどに取り付けるが、その方法は輪ゴムのようなゴムバンドを巻きつけるだけ。本体が軽量なのでこれで十分なのだ。マウントと本体の固定は、本体をマウントにあてがって90度回転させるだけとこれも簡単。取り付けまでの作業時間は1分とかからない。また、専用マウントは2個付属しているので2台の自転車で共用することができる。

ただし、本機を使うにはスピード/ケイデンスセンサーも取り付けなければならず、こちらは少しだけ面倒だった。センサー本体を所定の場所にタイラップで固定し、クランクとホイール双方にマグネットを取り付ける。しかし筆者の自転車ではクランク形状の関係から、マグネットの位置をスペーサーで調整する必要があった。自転車の形状はモデルごとに違うので、このあたりはやむを得ないことだろう。

取り付けができたら次は初期設定。最初の起動時に自動的に設定画面になるので、聞かれたことに答えていけばいい。機器の使用言語、単位などの設定や、身長、体重、年齢、性別などの身体データを入力する。また、起動後に自転車のデータも入力する必要があるが、これは車重を入力するだけでいい。通常のサイクルコンピューターではホイール直径の入力が必須だが、本機ではしばらく走行すればGPSによって自動計測されるので入力する必要はない。

あとはハートレートセンサーを自分の胸に装着して準備完了。このセンサは慣れるまで違和感があることは否めない。運動前にいちいち装着するのも正直なところ面倒だったが、心拍データが運動の管理にいかに有効かを知れば、その面倒さも我慢する気になる。それにこのセンサは非常に軽量で、ずり落ちたりして運動を妨げることはない。

◆とりあえず走り出してみる

最初は今ひとつ使い方が分からないこともあり、とりあえず走ってみることにした。本機の電源を入れ、GPSを受信するまでしばらく待ってから右上のボタンでタイマースタートさせて走りだす。ディスプレイには速度、走行距離、消費カロリーなどがリアルタイムに表示され、もちろん記録される。

最初は近場を、と思い自宅の周りを周回していると、ピッと電子音が鳴った。調べてみると自動ラップ機能というもので、なんの設定、操作も必要なく、周回路を走れば自動的にラップタイムを計測してくれる機能だという。これはGPS搭載機ならではだ。また、事前に自動ポーズを有効に設定しておけば、信号などで停止すれば機能が自動で停止、走り出せば再開される。これも非常に便利だ。

ディスプレイの表示は3種類から選ぶことができ、しかもそれぞれの画面で表示する項目は自由に変更できる。表示できるデータは速度、走行距離、時刻、気温、ラップ数、消費カロリー、進行方位、標高、勾配、ケイデンス、心拍などなど、実に多彩だ。また、バックライトを備えており、ボタンを押して点灯させることも、常時点灯させておくことも可能。ナイトランでも快適に使用できる。

◆心拍をリアルタイムにモニターし最適な運動強度に保つ

慣れてきたので、Edge500の様々な機能をいくつか使ってみた。まず最初は興味のあった心拍関連の機能。とりあえずアラート機能で心拍の範囲を設定してみる。これで、設定した範囲から心拍が外れるとアラームと表示で知らせてくれるのだ。この機能にどんな意味があるかというと、運動強度を効率のよい有酸素運動に保つため。

運動強度つまり運動の度合いは、心拍数で計測でき、人によって異なるがだいたい1分間の心拍数が140〜160以下が有酸素運動、それ以上が無酸素運動となる。有酸素運動といえばダイエットに効果的でエアロビクスや水泳が該当するとよく言われる。それは間違いではないが、有酸素運動かどうかはスポーツの種目で決まるのではなく、心拍数が大きな要件になるのだ。ちなみに、無酸素運動のエリアに入ってしまうと非常に辛いばかりでダイエットとしての効果は薄くなる。有酸素運動では脂肪と糖質が半々で燃焼されるが、無酸素運動では糖質のみの燃焼となり、脂肪が燃焼しないためだ。

年齢と共に体重が増えている筆者にとって運動の目的はダイエット。そのためには有酸素運動をしなければならず、しかもその効率を高めるために有酸素運動の範囲内でなるべく心拍を高く保ちたい。具体的には120〜150くらいの範囲に心拍を保ちたいのだ。自分の感覚だけではこんなことは到底不可能だが、心拍をアラート機能に設定しておけばそれが簡単にできる。

さっそくアラート機能を設定して走ってみたが、その有効さは想像以上だった。上り坂ではまだ余裕があるつもりでも、すぐに無酸素運動の範囲まで心拍が上がってしまい、アラートが鳴り響く。アラートが鳴らなくなるまでスピードを落とすと、最初はあまりの遅さにイライラするが、そのうちに、上り坂が続いても息が上がらないことに気がついた。いつもなら途中で足をついてしまう長い上り坂でも、一定のペースで走りきれてしまうのだ。有酸素運動は持続可能な運動なので当然といえば当然なのだが、実際に体験すると不思議でさえある。

反対に平地を普通のペースで走っていると、今度は心拍が予想以上に上がらず、やはりアラートが鳴る。これでは有酸素運動という以前に運動になっていない。少しペースを上げると心拍も上がってきた。心拍をモニタしていなかったら、効率の悪い運動を延々続けてしまっていたかもしれない。

◆これなら毎日続けられるコーストレーニングとワークアウト

次は「コーストレーニング」と「ワークアウト」を試してみる。まずコーストレーニングのバーチャルトレーナー機能を実際に使ってみたが、この機能はモチベーションアップに絶大な効果がある。過去の自分との競争に負けたくないというだけで、頑張れるというか、頑張ってしまうのだ。昨日の自分に勝ったら明日はその記録をバーチャルトレーナーにしたくなる。そると毎日速くなっていかなければ勝てなくなってしまうのですぐ限界が来るのだが、それでもなんとか頑張ろうとしてしまう。

一方のワークアウト機能は、おそらく本来は複雑なトレーニングメニューをスムーズに消化するための機能なのだろう。しかし、そこまでの機能を必要としない筆者のような初心者には、これもモチベーションアップのための機能だった。複雑な設定はせず、単純に「300Kカロリー消費するまで」といったワークアウトを作成。やり始めるとこれも達成するまで意地でもやめない、という気分になる。

ただ、ワークアウトでは「最低25km/h以上を維持する」とか「心拍ゾーンを一定以上に保つ」といった設定もできるのだが、これは市街地で試すとペースが上がりすぎて交通規則を無視した走りになりがちになるため少々危険。自転車専用道など恵まれた走行コース向けのようで、一般公道では使わない方がよさそうだ。

◆トレーニングセンターで自分の体力と課題を分析

走行後はデータをパソコンに転送し、ソフトウェア「トレーニングセンター」で自分の走りを分析する。走行したデータはグラフ表示されるのだが、その項目は4つまで同時に表示でき、しかもどのデータを表示するかは自分で設定することができる。速度と心拍数を基本に、必要に応じて勾配やケイデンスを追加するといいようだ。

グラフを見ると、あたりまえだが信号のない、一定速度で走れる場所では心拍が130〜150あたりの範囲に収まり、効率的な運動ができている。しかし、信号のある場所では赤信号のたびに心拍が下がってしまい、体感的な辛さの割に運動にはなっていないようだ。このグラフは2つの走行データを比較する機能もあるので、継続的にデータを保存していけば、いずれは自分自身の変化、つまり運動能力の向上も確認できるはずだ。

続いて走行したコースを「Googleアース」に表示してみた。従来のGPSデバイスでこういったことをする場合は、データのコンバート機能を使うのだが、トレーニングセンターはメニューから直接Googleア−スを呼び出し、走行コースを表示させることが可能だ。これは非常に便利。

もちろん、データのコンバート機能も備えており、走行したコースをGPX形式で出力できるので、様々な地図ソフトと連携することができる。ツーリング派の人にはピッタリの機能だ。

《山田正昭》

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