気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年10月8日付
●円一時82円11銭(読売・2面)
●プリウス世界で200万台(読売・10面)
●パナソニックがTOB終了、来年4月、完全子会社化(読売・10面)
●レクサス米で値上げ(読売・10面)
●日航操縦士370人退職迫る 50歳以上、病欠多い人(朝日・1面)
●EV普及なお時間、米ステラが低価格車、日本勢は対応二分(朝日・15面)
●「FT-86」12年春デビュー、トヨタ・富士、共同開発のスポーツカー(朝日・15面)
●追突防止機能、全車種に搭載、富士重が方針(朝日・15面)
●ノーベル賞に日本人2人、化学業界喜び格別(朝日・16面)
●ムーヴ・タント88万台リコール、ダイハツ、ミラ不具合(朝日・37面)
●F1日本GPきょう開幕(毎日・22面)
●「二番底」8割が懸念、主要204社、景気アンケート(東京・1面)
●人こと:産業革命と思って挑戦を、スズキ・鈴木会長兼社長(日経・11面)
●ビジネスTODAY:ホンダ、小型車「フィット」のハイブリッド車を発表。伊東孝紳社長が出席(日経・11面)
●日の丸リムジン、ハイヤーに電気自動車、12年米テスラ製採用(日経・13面)
ひとくちコメント
ノーベル化学賞の受賞が決まった根岸英一・米パデュー大学特別教授と鈴木章・北海道大学名誉教授。一夜明けた7日も、多くの関係者から祝福を受け、テレビのニュースワイドショーなどメディア取材に分刻みで応じるなど慌ただしく過ごしていたという。
きょうの各紙も2人のインタビュー記事などを中心に研究成果のプロセスや横顔などを詳細に取り上げている。医薬品やプラスチックなど様々な炭素でできた異なる化合物を、自在につなぐことを可能にした「クロスカップリング反応」と呼ばれる画期的な有機合成法についてもわかりやすく解説した記事も多く目立つ。
また、今回の受賞者の1人、根岸さんは神奈川県立湘南高校OBで、東大工学部卒業後、繊維大手の帝人に勤めていたことも明らかになった。その帝人は大八木成男社長が「当社としても創業以来の快挙」と絶賛するコメントを発表。朝日は「化学業界、喜び格別」として、クロスカップリング反応は、幅広い工業製品を支える基礎技術で、「多くの日本企業はその恩恵を受けており、今回の受賞へ歓迎の声もひときわ高まっている」と報じた。
そんな中、80歳を迎えた鈴木さんは、7日の日経社説などで取り上げた「中国や韓国など新興国が技術力で急迫し、日本は安閑としていられない」と懸念する声に対し、「苦難を克服して新しい価値を見つけるという気持ちを持ってほしい」と若い世代にエールを送っていたことが印象深かった。閉塞感を打ち破るために今の日本の一番ほしかったメッセージではないだろうか。