日本初 i-MiEV タクシーの運転手に聞いた EVタクシー利点と課題

エコカー EV
柏崎タクシーが導入したプリウスPHVとi-MiEV
  • 柏崎タクシーが導入したプリウスPHVとi-MiEV
  • 今回、i-MiEVを担当する田村さんに話を聞いた
  • 通常はカーナビが装着される部分に料金メーターが取付けられている
  • 独自に接近通報装置を取り付けている。ボタンを押すと「クルマが通ります」というアナウンスが流れる
  • 行灯でもEVであることをアピールする
  • ドアは手動。乗降りの際にはドライバーの田村さんが開閉をおこなう。
  • i-MiEVの後席。ドアの開口部形状と、地上高の高さを不便に感じる人もいるという
  • 「荷物があまり載らないことが難点」と田村さんは語る
EV・PHVタウン構想の実施地域として選定されている新潟県柏崎市。2009年7月、全国で初めて三菱『i-MiEV』を導入しEVタクシーの営業を開始したことでも話題となった。運用から約1年、EVタクシー担当ドライバーの田村加奈子さんに、EVタクシーの現状を聞いた。

現在、柏崎タクシーではi-MiEVのほか、トヨタ『プリウス・プラグインハイブリッド』を導入しEVタクシーとして利用している。夜間は充電にあてるため、営業は日中のみ。これまで約1400人もの利用者があり、総走行距離は約1万3000kmとなった。

「EVタクシーを開始した直後は、県外からも物珍しさで乗りにこられる方も多数いました。今でもEVタクシーを指名される方はいらっしゃいます。普通は運転手を指名するものですけど(笑)」と田村さんは語る。利用者の反応はどうだろうか。

「音も無くスーッと走り出すと驚かれたり、乗って良かった、という喜びの声もあります」利用料金は通常と同じなので、「物は試し」とEVタクシーを選ぶ利用客などから好評を得ているようだ。

「いっぽうで、地上高が高く、ドアの開口部の形状が特殊なので、足が悪い方やお年寄りなどから不満の声を頂くこともありました。また、トランクスペースが小さいので、シルバーカー(カート)や旅行用トランクなど大きな荷物が乗せられず、やむなく普通車を配車してもらう、ということもしばしばあります」軽自動車ベースのi-MiEVタクシーならではの課題点といったところだろう。

EVの運用で最も気になるのはやはり航続距離。i-MiEVはカタログ値で最大160km走るとされているが、運転状況に応じて電池残量はみるみる減って行く。営業運転中に電池切れになることはないのだろうか。

「営業運転の場合は1充電で50〜60kmの場合もありますね。EVタクシーの場合は、配車センターで比較的近距離を移動されるお客様を選ばせて頂いています。電池の残量と距離を照らし合わせて、配車してもらうので基本的には電池が足りなくなることはないはずなのですが…営業所まで戻れるか不安になることもあります(笑)さすがにお客様に『電池が少ないのでエアコン止めますね』とは言えませんので、電池に不安がある場合はできるだけ早めに充電に戻ります」

現在柏崎市には5基の急速充電器が設置されているが、一般に開放しているのは3か所。うち、市内で急速充電器を持つENEOSスタンド、品田商会と今年8月に利用契約を結んだことで、大幅に利便性が向上したという。ちなみに柏崎タクシー営業所に設置されている充電器は200Vの倍速充電器で、満充電までに掛かる時間は4~5時間だ。急速充電ならば15~20分で8割まで充電できる。

EVタクシーの課題について田村さんは、「やっぱり、充電の問題。万が一の時のために、10kmくらい走ることができる予備バッテリーのような物があれば、随分助かると思います。あとは繰り返しになりますが居住性、積載性でしょうか。この点はもう一台のプリウスPHVも同じようです」とした上で、「柏崎は古い住宅が多く、道路も細いところが多いので、小回りが利いて静かなEVタクシーは最適。課題をクリアできればEVタクシーの価値はさらに上がるかもしれませんね」と期待をこめる。
《宮崎壮人》

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