カロッツェリアのPND(パーソナル・ナビゲーション・デバイス)の主力ブランドとしてすっかり定着した『エアーナビ』。この夏に登場した新型モデル『AVIC-T07』『AVIC-T05』シリーズは、従来モデルのネガつぶしを徹底すると共に、更なる高性能化も図った。
◆PNDでは群を抜くVGAの高精細画面
新エアーナビでまず目を引くのが、一新された筐体デザインとPNDでは少数派のVGA液晶だろう。従来モデル(AVIC-T10/T20)でもVGA液晶は採用されていたが、筐体事態は一回り小さくなった印象で、より大画面が強調されている。LEDバックライトによる明るくコントラストの高い描画に加え、QVGA比で約4倍の解像度を持つことによる高品位な地図表現は他社PNDに対する大きなアドバンテージと言える。
◆マップチャージで3年間の地図更新が無料
エアーナビのもうひとつのトピックが、いつでも最新の地図が手に入る「マップチャージ」。これは毎月の地図更新が最大3年間の無償で利用可能になるサービスで、地図データを収録しているマイクロSDカードをPCで更新し、カードをナビ本体に挿入することで情報が自動更新されるというものだ。地図データの更新は、2013年10月まで追加料金無しで利用でき、高速道路の延長や新規に開通した道路の情報を随時アップデートをすることが可能となる。
また、ルートガイド時の豊かな表現力も魅力。内蔵メモリは8GBだが、都市高速入口のイラスト表示や10mスケール詳細市街地図表示が可能になるなど、HDDナビ並みの情報量を実現している。これは「Lフォーマット」と呼ばれる独自のデータ圧縮技術により可能になったもので、従来のHDDナビに採用されていた地図データを約5分の1以下に圧縮している。
◆スマートループ渋滞情報で最速ルート探索
エアーナビと言えば通信ナビの草分け的存在。通信を利用したコンテンツや地点情報サービスを使いこなすことで真価を発揮する。
単体でもFM-VICSチューナーを内蔵(T07のみ)しており、VICSセンターで編集・処理された道路交通情報(VICS情報)を受信して表示することが可能だ。さらに別途通信契約をすると、カロッツェリアのカーナビ同士で渋滞情報を共有する「スマートループ渋滞情報」が利用可能になる。スマートループではVICSの約5倍のエリアをカバーし、精度の高いルート案内が可能となる。
また、駐車場満空情報やガススタ価格情報といったリアルタイム情報も引き続き提供。ガソリンスタンド情報は全国40万以上の会員をもつ「e燃費」からの投稿情報をもとにしたもので、ウィジェットとして現在地周辺のガソリンスタンドのガソリン価格を表示したり、最寄りの最安ガソリンスタンドを検索するといった使い方が可能だ。地域のイベント情報や観光スポット情報などを提供したり地点情報をPCやケータイと共有するなど、ドライブプランの作成に役立つ「ナビポータル」も通信ナビならではの機能といえる。
さらに、最近関心が高まっているエコドライブ機能もサポートする。例えば、「燃費ウィジェット」は、その時点での燃費を前回ドライブ時の燃費と比較可能。過去の燃費との比較結果を数値でユーザーに判り易い画面デザインで表示する。
ポータブルナビの手軽さはそのままに、本格ナビゲーションに迫るスペックと通信で、他社PNDに差を付ける力作に仕上がったエアーナビ。大画面の5.8型(T07)と使いやすい4.8型(T05)のラインナップも揃え、高機能PND商戦に打って出る。