さて、長時間耐久レースに出るためには、1人というわけにはいかないだろう。仲間もクルマも必要なのは言うまでもない。どうしたものか……。
今回、準備段階からレースのフィニッシュまで密着取材を許可してもらったのが、「フィアット江戸川/アルファロメオ江戸川」のなかに組織されているホビーレース参戦を主目的としたAIOCである。
AIOC(アレーゼ市川オーナーズクラブ)とは、2009年10月に新装オープンしたばかりの正規ディーラー、アルフォロメオ江戸川の前身であるアレーゼ市川時代に誕生したユーザーサポートを目的としたクラブだ。AIOCの正規メンバー数は現在29人。「年齢層は36〜54歳と幅広く、平均年齢は42〜43歳だと思います」とは、AIOC会長M氏の言葉だ。
AIOCメンバーの職業はまちまちの様子で、各種エンジニア、会社員、自営業、会社経営、公務員といった感じらしい。だが、アルファロメオとレースが大好きというキーワードさえ共通していれば年齢や性別を問わず誰でも入会できるモータースポーツ参加型のクラブだという。AIOCの場合、入会金1万円・年会費2万円で、関東圏で年5戦程度開催されているアルファロメオのホビーレース参戦に際して、ピットサポート、レッカーサービス、エンジンオイル/MTオイルのレース前交換サービスなどは、すべて無料でサポートしているというから心強い。
ちなみにアイドラーズ12時間+9分間耐久レースのエントリーフィーは、1チーム=24万9000円だった。同レースは最大12名のドライバー登録が可能だが、エントリーフィーは頭割りをすると1人=2万円程度ということになる。
国産・外車を問わず正規ディーラーがサポートするクラブ活動でここまでのユーザーサポートを行っているところは全国を見渡してもなかなか類をみないだろうが、ショップ単位ならこうしたモータースポーツ参加を前提としたクラブは星の数ほどあるはず。つまり、自分好みのメーカーやショップ、近年ではインターネット上のコミュニティサイト上で知り合った同好の士が集うケースも少なくないという。
この章の結論としたいのは、モータースポーツがあくまでもチームスポーツであることを忘れてはならないということ。仮に長時間耐久レースに出てみたいと思ったなら、クルマを準備する前に仲間を募ることが先決ということで間違いないようである。