アイサイト以外に何が大きく変わったというわけではない。ストロークを大切にしたサスペンションコントロール、がっちりとしたボディー剛性はスバルらしいこだわりの仕上がりを感じる。
しかし、このアイサイトの性能は現行採用されている全ての追従型クルーズコントロールの中で一番優秀だといえる。しかもステレオタイプ(2台)のカメラだけでこれだけの性能を出していることに驚く。
最近BOSCHが0.5→250mの車間距離設定が可能な第3世代ミリ波レーダーを発売したが、これは200km/hでのクルーズコントロールを可能にするものでターゲットはアウトバーンだ。
日本の環境でこれほどまでの高速巡航は必要ないし法律で認められていない。しかもコストが安い。使いやすいと感じたのは、首都高など渋滞した高速道路。まったくブレーキを踏む必要が無く完全停止し、動き出せば発進時に一度アクセルを踏んでやるだけであとは流れに乗って速度とブレーキをコントロールしてくれる。
ブレーキを踏みさえしなければ設定がキャンセルされることがないのだ。ここまで進化してくれれば(コストも含め)ドライバーの疲労を軽減し事故を予防するアイテムとして実用価値が高い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア・居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法で53歳の現役レーシングドライバー! SUPER GTをランボルギーニ『ガヤルド』で戦っている。INDY500 など海外レース経験も豊富で、確かな知識と国際感覚でクルマの評価を行う。2009-2010日本カーオブザイヤー選考委員。