ダイムラーは22日、北京モーターショー開幕前のプレスイベントにおいて、『マイバッハ』のマイナーチェンジモデルを披露した。新しいフロントマスクや高級感を増したインテリアが特徴だ。
マイバッハ社は1909年、ドイツで設立されたエンジンメーカー。同社を代表する高級車が1920 - 1930年代に生産された『ツェッペリンDS8』だった。マイバッハ社は1966年にダイムラーの傘下に入り、その社名は消滅するが、2002年にメルセデスベンツの上に位置する高級車ブランドとして復活。現在、マイバッハには、標準ボディの「57」「57S」、ロングボディの「62」「62S」の4タイプが用意されている。
今回のマイナーチェンジは、デビュー以来初の大規模な内容。フロントは新デザインのクロームグリル、シャープなエッジを強調したボンネットを採用。フロントバンパーには、LEDデイタイムランニングライトが組み込まれる。リアはテールランプをダークレッド化。ドアミラーも空力抵抗に配慮した新デザインとなった。
インテリアは、基本的にフルオーダーとなるが、ロングボディの62シリーズは、後席用モニターを9.5インチから19インチへ大型化。「WLAN」と呼ばれる無線インターネット接続システムも用意された。2009年に投入した限定車、「ツェッペリン」に導入された世界初の香水スプレー機能も選択できる。
また トリムパネルには、カーボンファイバーとダークブラウンバーズアイメープルが新登場。レザーシートには、スワロフスキー社の「クリスタライズ」仕上げも用意されるなど、インテリアの素材やカラーの組み合わせパターンは、さらに豊富になった。標準ボディの57シリーズでも、62シリーズの後席リクライニング機能が選べるようになったのもニュースだ。
エンジンは引き続き、6.0リットルV型12気筒ツインターボだが、57Sと62S用は最大出力が18psアップして630psへ強化。それでいて、欧州複合モード燃費は6.33km/リットル、CO2排出量は368g/kmと、4 - 6%改善した。57と62はエンジンスペックに変更はないが、欧州複合モード燃費は6.67km/リットル、CO2排出量は350g/kmと、6 - 10%の向上を果たしている。
マイバッハの2009年世界販売台数は200台にとどまり、一時は中国電池大手で自動車部門も擁するBYDへのブランド売却が噂された。しかし今回、ダイムラーは北京の地で、マイバッハの改良モデルを披露。今後もダイムラーの傘下で、マイバッハは富裕層へのアピールを強めていく姿勢を示した。