仏ルノーは、『クリオ』(日本名『ルーテシア』)に、ヨーロッパ初の回転式助手席シートをオプション設定した。本国フランスでは、すでに4月7日から特別仕様2車種に装着車を設定しており、6月中旬からは欧州6か国(フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、ベルギー、スイス)でもオプショナル・パーツとして取り扱いを開始する。回転式助手席シートは、3ドアと5ドアのいずれにも装着可能。座席下のレバーを手で操作すると、外側に75度回転する。さらにシート組み込み式のフットレストも装備されていて、前にせり出すことで乗り降りを助ける。シートの許容重量は130kgだが、前後スライド量やリクライニング角度は、標準のシートと変わらない。開発は、2008年に組織され、これまでも身障者用特装車を手がけてきた部門「ルノー・テック」が担当した。欧州ではこれまで、伊フィアットなどが運転席が回転する福祉車両を販売してきた経緯がある。しかし、日本の福祉車両のように、助手席が回転する仕様はみられなかった。今回の装備に関し、ルノー自身は想定ユーザーをとくに示していない。だが、欧州各国で高齢化が進むなか、免許を持たなかったり、持っていてもすでに運転が困難になった人たちを容易に乗せられる車が求められていたことは明らかだ。オプション価格は、付加価値税込み1600ユーロ(約20万円)。ルノーによれば、従来の福祉車両の回転シートが2500ユーロ(約31万円)していたのよりも安い設定になっている。ちなみに2006年の国連統計によれば、ヨーロッパ圏ではイタリア、スペイン、スウェーデン、スペイン、ドイツ、フランスの順で人口の高齢化が進行している。一見小さなオプション設定のニュースだが、欧州の自動車界およびユーザーにとっては朗報であり、今後他メーカーも動かすムーブメントとなることを望みたい。
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