米子市・野坂市長「先進的な地域になりたい」---EV生産

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野坂康夫米子市長
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ナノオプトニクス・エナジー米子EV工場(仮称)が利用する日本たばこ産業(JT)米子工場は、2009年4月に閉鎖を発表。JT米子工場の閉鎖により、約200名の雇用の場と、米子市における工場出荷額の4分の1を占める年間900億円の出荷が失われるため、鳥取県としても米子市としても痛手となっている。

しかし、ナノオプトニクス・エナジーがこのJT米子工場を活用することで、雇用の場や生産が失われなくて済むようになった。ナノオプトニクス・エナジーは、2015年までに年間1000億円の売り上げを目指している。さらに800名を雇用する計画だ。いずれもJT米子工場を上回る数字だ。

米子市の野坂康夫市長は、「本当にうれしく思っている。JT米子工場の閉鎖を補うことをあまりある規模。EV関連産業は、地球の温暖化防止とCO2削減が実現できるとともに、成長が期待できる。EVだけではなく、スマートグリッドや情報グリッドで、先進的な取り組みをしている地域になりたい」と歓迎した。それを示すように米子市は、EV米子工場の進出に関して活発に動いており、開発公社がすでにJT米子工場を確保している。

また「用地の取得、固定資産税の減免制度、新規雇用に応じた補助金を活用してほしい」と公的支援を約束。「EV産業は裾野が広いと聞く。地元の企業がお役に立てるよう調整する」とした。

一方の鳥取県は、3月に「鳥取県成長戦略」を発表している。ここでは、2020年までに年間1%のGPD成長を掲げている。8つの分野で、GDPを700億円押し上げ、7000人の雇用を生み出すという内容だ。この8つの分野には、エコカーや太陽光発電などの「環境・エネルギー」と、電気電子部品関連の「次世代デバイス」が含まれている。まさに、この成長戦略と合致したのがナノオプトニクス・エナジーの進出だ。

鳥取県の平井伸治知事は、まず「ここに至るまでいろんな方々に走り回っていただき、構想が実現できた」と感謝の言葉を述べた。「来年度からまとめる構想では、ナノオプトニクス・エナジーと連携したスマートグリッドの実証実験、急速充電スタンドの整備、エコカーのシェアリングなどを盛り込む」と明らかにした。

鳥取県としては、新規事業や雇用に対して補助金を出すとともに、人材育成プログラムも予定している。「EVの生産には地域の皆さんに参加していただきたい。電気と電子部品、板金メーカを中心とした県内の会社、働きたいという人、新しいアイディアがあるなど、どのような形でも歓迎する」と呼びかけた。

《安達崇徳》

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