【ポルシェ パナメーラ 試乗】911に固執していていいのか…森口将之

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パナメーラ
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僕がポルシェでいちばん好きな市販車は『928』である。いやポルシェのエンジニアも、あれが理想形と思っているはずだ。

だから『911』は水冷化してサイズを928に近づけ、一度は嫌われたV8フロントエンジンの夢はSUVの『カイエン』で足場を固めたあと、実用性の高い4ドアに姿を変えて実現にこぎつけた。それがこの『パナメーラ』だ、というストーリーは100%作り話じゃないと確信している。

もっともそのデザインは、未来のポルシェを予感させた928とは違い、911の延長線上にある。硬質感きわまる乗り心地やハンドリングもまた、928より911に近い。

5m近い全長、1.9mを越える全幅のわりに軽い1.8tのボディのおかげもあって、加速は自然吸気の4.8リットルでも強烈。乗る前はデカく感じた車体がグングン小さくなって、気分はすっかり911。

多くのポルシェファンは拍手喝采かもしれないが、いつまでも911のイメージに固執していていいのかと、革新のカタマリだった928に恋焦がれる自分は思った。アイドリングストップには感心したけど。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)、『パリ流 環境社会への挑戦』など。

《森口将之》

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