JFEスチールは、慶應義塾大学の電気自動車研究室と超小型電気自動車の集積台車用の軽量で剛性の高いスチールフレームを共同開発した。
フレームは、同社の1470MPa級超高強度鋼板(ハイテン材)を主材料としたテーラードブランクをコンピューターシミュレーションで設計し、加工した。
このフレームを使った電気自動車は、慶應大が「コ・モビリティ社会の創成」プロジェクトの一環として開発した移動体で、室内、室外を自動運転により走行する。台車フレームは、バッテリー、インバーターを格納する箱としての機能と、インホイールモーターやサスペンション、操舵機構、キャビンを支える骨格としての機能を持つ。
台車フレームは車体を支えるメインフレームを四角形の閉断面構造にすることで高剛性化と軽量化を両立した。また、フレームの材料に1470MPa級冷延鋼板を初めとするハイテン材を使用することで高強度を実現する。車体を支える骨格部分の鋼板と外板パネルの鋼板を予め一体化させたテーラードブランクを、一度に折り曲げ加工することで高い生産性も実現する。
同社はこのスチールフレームの開発では基本設計、強度・剛性解析、その結果に基づく構造最適化、材料の提供、台車フレームの製作、強度試験を実施し、慶應大に納入した。慶應大では本台車フレームを使って電気自動車、業務用移動体を合計4台製作し、現在試験評価中。