慶應義塾大学、東京大学、大阪大学、古河電気工業を含む5機関は9月20日、高度自動運転に必要な次世代車載ネットワーク「SiPhON」のコンセプト実証研究を行い、50Gb/sのデータ伝送システムのデモンストレーションに成功した、と発表した。
高度自動運転の実現には、大容量かつ低遅延な車載ネットワークが不可欠。この研究では、信頼性の高いシステムを実現するため、セントラルECUのマスター装置に半導体レーザを配置し、ゾーンECUのゲートウェイ装置にはシリコンフォトニクス集積技術による変調器/受信器を配置した。これにより、石英シングルモード光ファイバーで接続する通信方式(SiPhON)を提案し、実証研究を進めた。
SiPhONは、50Gb/sの伝送容量を持つデータ伝送用ネットワーク(D-plane)と制御信号伝送用ネットワーク(C-plane)からなる物理層を備え、伝送路と光源の二重化による冗長性を有する。シリコンフォトニクス技術を利用して低コストに高信頼性を得る構成である。マスター装置から送信された光は、各ゲートウェイ装置で透過、受信、あるいは変調して出力され、再びマスター装置に帰還して受信される。
