アウディAGは9日、2009年度の販売実績を発表した。世界販売台数は94万9729台となり前年比で5.4%減、それにともなう影響と為替レートの悪影響により売上げ高は298億4000万ユーロで前年比12.7%減となった。
営業利益は、2008年度が好調だったこともあり、42.1%減となる16億0400万ユーロと大幅に減少した。いっぽうでROI(投資収益率)は11.5%と高いレベルを維持している。
ルパート・シュタートラー会長は「16億ユーロという営業利益は、困難な状況下でにおいてもアウディが業界のベストたり得ているいることを示している。良好な結果が得られたことで、将来の成功への道が開かれた」としている。
前年比11.3%減となった本国ドイツをはじめ、西ヨーロッパでの販売台数は軒並み減少したが、アジア・太平洋地域が好調で、とりわけ中国では32.9%増となる15万8941台を販売した。また完全現地組立て工場のあるインドでも57.9%増の1658台を販売、2010年末までにディーラー数を現在の12から16に増やし、さらなる販売増を目指す。
子会社のランボルギーニは経済危機の影響を大きく受け、販売台数は前年比37.7%減となる1515台にとどまった。
2010年1月、2月の世界販売台数は、前年同期比28.7%増となる15万3700台を既に記録しており、順調な滑り出しを見せている。大幅に需要が縮小した米国でも前年同期比35.7%増の1万2726台を販売している。
アウディは、ジュネーブモーターショーで発表されたプレミアムコンパクトカー『A1』をはじめ、2009年同様、2010年も積極的な新型投入を行う予定。A1の投入によりこれまでとは違う新たな顧客を獲得、1年間で8万台から10万台を販売する、と発表している。また、秋頃に投入される『A7スポーツバック』では新たなニッチ市場を開拓する計画だ。
シュタートラー会長は「今年は再び販売台数100万台以上を達成し、新記録を作った2008年のレベルに戻す」と語っている。