トヨタ自動車の米国法人米国トヨタ自動車販売(TMS)は、不具合が指摘されている電子制御スロットルに不具合が発生する実験を公開した。
2月22日(現地時間)にABCニュースで米国・南イリノイ大学のデイビッド・ギルバート教授がトヨタ車の「意図せぬ加速」を再現し、不具合を指摘、トヨタはこれを否定しており、今回トヨタ車と他のモデルの実車を使った再現デモンストレーションを実施してウェブサイトを通じて中継した。
トヨタとTMSは、エンジニアリング・コンサルティング会社の米エキスポーネント社に委託して行った調査と、トヨタで実施した試験結果を総合的に分析、ギルバート教授のデモは、車の配線に特定の手順を経て大幅な加工を施す必要があり、これらを実際の市場環境において発生させることは事実上不可能であるとしている。
また、ギルバート教授のデモでは、通常では起こりえない、トヨタ車の電子制御システムがフルスロットル状態となるよう意図的に操作されているとしている。さらに今回のTMSのデモでは、他社の車両についても同様の現象が再現できたことを確認した。
トヨタは、ギルバート教授のデモは人為的に不具合を発生させる「手順と内容」で、市場での再現性に乏しく、トヨタ、レクサスの車両、または他社の車両に固有の欠陥があるという証拠にはならない、としている。
トヨタの内山田竹志副社長は、米上院通商・科学・交通委員会の公聴会で「各種の試験を徹底的に行っており、弊社の電子制御スロットル技術によって、意図せぬ加速は一度も発生していない、と確信している。将来、問題を起こし得る要素があれば特定に努め、その未然防止に徹する。また、電子制御スロットル技術の安全性をさらに確認するために、工学・科学の分野で世界でも有数のコンサルティング会社として知られるエキスポーネント社に独自の総合的な調査を依頼している」と述べた。
エキスポーネント社の調査の中間報告書はすでに議会に提出され、包括的な分析が完了した際、データとともに最終分析結果を公開する予定。
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