【VW シロッコR 試乗】リキまない人生を送るオトナ向け…西川淳

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シロッコR
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リキまない人生を送るオトナのクルマ好き/スポーツカー好き/運転好きに乗って欲しい。『シロッコR』は、いろんな好き者の多くに今もっともオススメの一台である。

スタイリングはもともと格好いい。同じようなコンセプトのボルボ『C30』よりもずっと後から出たにも関わらず印象深い。ロー&ワイド感(実寸ではなく感覚)が一番の違いだと思うが、そこがRになってさらに強調された。雰囲気がとても硬派である。派手なマスクも決して“こけおどし”に見えない。見るからにミズスマシのように走りそうだ(そして、そんな風に走る!)。

背が低い上に、4WDの『ゴルフR』と違ってFFを採用したということもあり、その動きは軽快だし、ファンである。そして、ベラボーに速い(と感じる)。初心者から上級者まで楽しめるFFスポーツカーという意味では、今、最高レベルにあるだろう。走りのひとつひとつに子供っぽさがないのもいい。あるとすればそれは、勇ましい排気ノートの演出くらいだろうか。でも、そこは子供っぽくても喜ぶオトナは多い。スポーツカーにとって、音はとても重要な要素である(だから好き者ほどEVを危惧する。物珍しさ以外の楽しさがあるのかどうか、というわけだ)。

ダウンサイジングなって、V6から直4ターボになったが、パフォーマンス的には全く問題なし。マルチシリンダーの奥深さに未練は残るが。

乗って楽しい、見て格好いいクルマにホントは乗りたいけれども、最近のスポーツカーはどれも何だか演出が子供っぽくて嫌。だったらいっそクルマ趣味なんぞ諦めて大人しく……、なんてことになる前に、身にクルマ好きであったという覚えのある人は、一度、シロッコRを試した方がいいと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

《西川淳》

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