オペルは18日、『フレックストリームGT/Eコンセプト』の概要を明らかにした。プラグインハイブリッドを搭載する5ドアクーペの提案だ。実車は3月2日に開幕するジュネーブモーターショーで公開される。
オペルは2011年、プラグインハイブリッド車『アンペラ』を市販する予定。アンペラはシボレー『ボルト』のオペル版である。アンペラは小型セダンだが、プラグインハイブリッドシステムを中大型車に応用したのが、フレックストリームGT/Eコンセプトだ。
「E-REV」と呼ばれる高効率ハイブリッドシステムの核となるモーターは、最大出力163ps、最大トルク37.7kgmを発生。2次電池は、蓄電容量16kwhのリチウムイオンバッテリーだ。モーター単独で最大60km、ゼロエミッション走行が可能で、バッテリーの容量が少なくなると、充電専用の1.4リットル直列4気筒ガソリンエンジンが始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を送るとともに、バッテリーの充電を行う。この結果、最大航続距離は約500kmまで伸びる。
また、外部からの充電にも対応。充電はフロントのオペルエンブレム部分にソケットを差し込んで行い、230Vソケットで約3時間以内に完了する。動力性能は、0 - 100km/h加速9秒以下、最高速200km/hオーバーの実力。オペルによると、モーター単独走行時を含めた燃費は約62.5km/リットル、CO2排出量は40g/km以下を実現しているという。
外観はエアロダイナミクスを徹底追求し、空気抵抗係数を示すCd値は0.22を達成。豊かな面構成が特徴の4シーター・5ドアクーペボディは、全長4762×全幅1871×全高1308mm、ホイールベース2900mmとロー&ワイドで、アンペラよりもひと回り大きい。
リアドアは『メリーバ』と同様、「フレックスドア」と呼ばれ、逆ヒンジで開閉。ドアミラーの代わりにAピラーにカメラを内蔵し、後方視界を確保する。195/45R21サイズの低転がり抵抗タイヤ、50km/h以上でリアサイドに出現するサイドスポイラーなど、走行抵抗を減らす工夫が凝らされた。また、ボディパネルはカーボンコンポジット素材、ウィンドウはポリカーボネート製とし、約40%もの軽量化を実践している。
フレックストリームGT/Eコンセプトは、このままでの市販はないと思われるが、そのプラグインハイブリッドシステムは、将来発売される中大型車に応用されるはずだ。