先代W211型『Eクラス』の日本に導入されたガソリンエンジン車は、ボトムグレードでも6気筒であることがひとつのウリだった。ところが新型では、1.8リットルの4気筒エンジンにターボチャージャーを組み合わせたCGIユニット搭載車がついに設定された。
率直なところ、あくまでイメージとしての話ではあるが、過給機付きとはいえ、この車格で1.8リットルで4気筒というと、物足りない印象があるのは否めない。多くの人も同様の先入観にとらわれることだと思う。
しかし、ドライバビリティ面では大きな不満はない。力感は十分で、振動も小さく、緻密な回転フィールを持っており、あまり4気筒のネガは感じない。むしろ低い回転域からレスポンスよく得られるトルク感に好印象を持った。
ただし、『Cクラス』のCGIモデルに比べると、Eクラスセダンは車両重量が大きいせいか、パワートレインの制御自体がそうなっているせいか、発進加速ではややCクラスのほうが俊敏な印象ではある。
このクルマを選ぶかどうかは、Eクラスというクルマに何を求めるかによるだろう。
実用車として割り切るのであれば、十分な動力性能を持ち、優れた燃費を実現している点では、太鼓判を押してオススメできる。逆に、高級車としての味にこだわるのであれば、やはり6気筒以上を選んだほうがいい。とりあえず、まずは上級モデルと同じく、CGIにも7速ATが搭載されることに期待したい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県生まれ。学習院大学卒業後、自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジン、自動車専門誌の記者を経て、フリーランスとして活動を開始。最新モデルからヒストリックカー、カスタマイズ事情からモータースポーツ、軽自動車から輸入高級車まで、幅広い守備範囲を自負する。現在は WEB媒体を中心に執筆中。「プロのクルマ好き」としての見地から、読者にとって役に立つ情報を提供できるよう心がけている。