【新聞ウォッチ】日航法的整理、再生のカギは「安全」と「安心」の継続

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2010年1月20日付

●日航、更生法を申請(読売・1面)

●輸入車にもエコカー補助金 米に配慮、経産省が発表(読売・2面)

●三菱商事社長に小林氏(読売・8面)

●賃金より雇用重視、経団連指針「定昇も議論」(朝日・7面)

●ASEAN新車販売回復へ(日経・8面)

●いすゞ、中国に販売合弁、12年にも10万台めざす(日経・13面)

●ニフコ一転営業増益自動車部品、想定上回る今期75億円(日経・17面)

●神奈川県、EVタクシー100台に、11年度までに、日産などと協力(日経・31面)

●翼に背負う再生と安全(日経・35面)

ひとくちコメント

日本を代表する「ナショナル・フラッグ・キャリアー」として60年近く飛び続けてきた日本航空が経営破綻した。グループを含む負債総額は2兆3221億円で、金融機関を除く事業会社の経営破綻としては過去最大規模という。

破綻日程を事前に公表する「予告破綻」という法的整理に踏み切ったことから各紙ともスクープ性には欠けたものの、きょうの全紙が1面トップで報じたほか、経済面、社会面、そして「社説」でも大きく取り上げている。

日航側も利用者の不安を解消するために「JALは、飛び続けます」という見出しで、「ご利用の皆さま、ご安心ください。JALグループは、本日以降も、これまで通り営業いたします」としながら「再生をめぐる一連の動きの中、お客さまには多大なるご心配をお掛けしており、まことに申し訳ございません」などと綴っている。

日航を支援する企業再生支援機構は「3年以内の経営再建を目指す」そうだが、そのカギを握るのは安全と企業再生をどう両立させるかに尽きる。

日経は作家の柳田邦男氏にインタビューしているが、柳田氏は「安全確保は債務超過解消よりもはるかに難しい。危ないと感じたら何でも言える環境が求められる。安全は1日1日の闘い。着実に養ってきた安全文化を途切れさせてはいけない」と語っている。

最近、出張でJAL便を利用した知人から「トイレが臭かった」と不満を漏らしていたが、利用客が求めるのは過剰なサービスではなく、「安全」と「安心」である。「貧すれば……」では再建の道は険しい。

《福田俊之》

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