デンソーは、車両に搭載されるリチウムイオン電池用の電池監視ユニットを開発した。この電池監視ユニットは、トヨタ自動車が2009年末から、市場導入したプリウスプラグインハイブリッドに搭載されている。
電池監視ユニットは、高電圧の電池を安全、効率的に使用するため、電池の電圧、電流、温度などを検出する。リチウムイオン電池は、ニッケル水素電池と比べエネルギー密度が高いという性質を持つが、電池を構成する複数のセルごとに電圧のばらつきが生じるため、セル単位で電圧を制御する必要がある。デンソーはセル単位での電圧制御を独自開発した方式を採用することでノートパソコンなどに使用されている一般的な方式と比べて回路を簡素化し、低コストで実現した。
従来のリチウムイオン電池の電圧制御方式は、セル単位で検出した電圧のアナログデータをデジタルデータに変換し、演算回路によって電圧が高いと判定したセルを放電させる。
今回、デンソーが新たに開発した電圧制御方式は、全セルの平均電圧を検出し、平均電圧と比べて電圧が高いセルをシンプルな論理回路で判定し放電させる。この方式により、従来と同等の性能を持ちながら高機能なアナログ/デジタル変換回路や演算回路が不要な簡素な構成とした。
今後、電気自動車やプラグインハイブリッドカーを生産する自動車メーカーに積極意的に売り込んでいくという。