英国BBC放送の人気番組『Top Gear』(トップギア)は、BMW『X5M』、アウディ『Q7 V12TDI』、ランドローバー『レンジローバー』の比較テストを放映。その映像が、動画共有サイトで公開されている。
2009年4月のニューヨークモーターショーでデビューしたX5Mは、『M3』や『M5』などを開発するBMW M社が、『X5』に世界最速SUVにふさわしい高性能を与えたモデル。エンジンは『X6』や『7シリーズ』に用意される4.4リットルV8ツインターボがベース。2個のターボチャージャーは最大過給圧1.5バールの専用ツインスクロールタイプに換装された。ターボチャージャーは、V8エンジンのバンク中央に配置され、排圧のロスを低減し、燃料の供給をスムーズに行う。インタークーラーは水冷と空冷の2種類の冷却システムを持ち、アルミ製オイルサンプシステムも導入された。
これらの専用チューンの結果、X5Mは最大出力555ps/6000rpm、最大トルク69.3kgm/1500 - 5650rpmを発生。M5や『M6』の5.0リットルV10(507ps、53kgm)さえも上回る、M史上最強のスペックを獲得した。
動力性能は超刺激的。0-100km/h加速は4.7秒とM5と同数値。最高速は250km/h(リミッター作動)だが、リミッターを解除すると275km/hに到達する。4.7秒の0-100km/h加速は、ポルシェ『カイエン』の最強グレード「ターボS」の4.8秒を上回る。まさに世界最速SUVである。
2006年9月に登場したアウディQ7 V12TDIは、2006 - 08年のルマン24時間優勝マシン、『R10TDI』の6.0リットルV12ターボディーゼルを移植したスーパーSUV。最大出力500ps、最大トルク102kgmという圧倒的スペックを備える。
6速ティプロニックとフルタイム4WDの「クワトロ」と組み合わせられ、0 - 100km/h加速5.5秒、最高速250km/h(リミッター作動)のパフォーマンスを発揮。これだけの高性能でありながら、欧州複合モード燃費8.4km/リットル、ユーロ5に適合するクリーンな排出ガス性能を実現している。
2009年4月、ランドローバーはニューヨークモーターショーにおいて、『レンジローバー』のマイナーチェンジモデルを発表。ジャガーと共通の新開発の直噴5.0リットルV8を搭載した。その最強仕様が、スーパーチャージャー版で、最大出力510ps、最大トルク63.8kgmを絞り出す。ZF製6速AT との組み合わせにより、0-96km/h加速は5.9秒と一級の動力性能だ。
3台のスーパーSUVを、Top Gearのメインプレゼンター、ジェレミー・クラークソン氏がフルテスト。生半可なスポーツカーを凌ぐ実力を秘めた3台の映像は、動画共有サイトで見ることができる。