フォードは3日、ラスベガスで開幕したSEMAショーにおいて、2010年モデルの『マスタングコブラジェット』を発表した。米国内のドラッグレース参戦を前提に開発されたマスタングで、限定50台を生産する。
SEMAとはスペシャル・エクイップメント・マニュファクチャラー・アソシエーションの略で、米国のアフターパーツメーカーの統括組織。毎年11月に開催されるSEMAショーは、日本のオートサロン、ドイツのエッセンショーと並んで、世界3大チューニングカーショーに位置づけられる。
フォードは2008年のSEMAショーで、マスタングコブラジェットを初公開。同車は1968年、『マスタング』が米国のドラッグレース、「NHRAウインターナショナルズ」で初優勝して40年になるのを記念したモデルだ。開発はフォードレーシングが担当。2009年シーズンの米国ドラッグレースへ実戦投入され、活躍を収めた。
今回発表されたのは、その2010年モデル。エンジンは従来通り、4.0リットルV6(213ps)から5.4リットルV8スーパーチャージャー(500ps)まで、5種類のエンジンの中から顧客が選択する方式だ。ドラッグレース用トランスミッション/ダンパー&スプリング、ロールケージやノンパワーアシストのステアリングやブレーキを標準装備。外観は大きく盛り上がったボンネットが特徴だ。
2010年モデルでは、ローンチコントロールとレブリミッターを新採用。さらに戦闘力の強化が図られた。フォードは2010年1月から、ミシガン州フラットロックのAAI(オート・アライアンス・インターナショナル=マツダとの合弁工場)において、通常のマスタングと同一ラインで50台を限定生産する計画だ。
マスタングコブラジェットは2010年シーズンのNHRAのストック、およびスーパーストッククラスへ参戦予定。その活躍が注目される。