売りはシティーセーフティー。このシステムは30km/h以下で前走車との速度差が15km/h以下の場合、ドライバーがブレーキを踏まなくても追突しないように自動的にブレーキをかけて停止する。うっかり追突事故を自動的に回避してくれるのだ。これは日本では初のシステム。安全安心の装備だが、その走りにもかなり感心させられた。 285ps/400Nm(ターボ)の出力はアクセルを踏み始めた途端に車重1930kgとは思えないほど軽々と加速する。直列6気筒を横置きという個性的なレイアウトだからフロントヘビーだろうと、どうせ走りはたいしたことはないと高を括っていたのだが、試乗場所となった裏磐梯(福島県)のワインディングをSUVとは思えない速度で安定して走りぬけた。足は少し突っ張り感のある堅めだが、乗り心地は悪くはない。特に高速道路では有り余るパワーも含めて、余裕たっぷり。欧州の高速道路に合わせてセットアップしているからだろう。 ボルボらしいシルエットに近代的なセンス。Aピラーの角度はかなり寝ているが、斜め前方の視界も良好だ。低速域でのボディ底面から発生する微振動が気になるが、走りに影響は与えていない。このサイズのSUVでは、価格&装備を含めて価値がある。 ■5つ星評価 パッケージング:★★★★ インテリア/居住性:★★★★ パワーソース:★★★★ フットワーク:★★★★ オススメ度:★★★★ 松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶 スローエイジングという独自の健康法で53歳の現役レーシングドライバー! SUPER GTをランボルギーニ『ガヤルド』で戦っている。INDY500など海外レース経験も豊富で、確かな知識と国際感覚でクルマの評価を行う。 2009 - 2010日本カーオブザイヤー選考委員。