フォルクスワーゲンオブアメリカは3日、7月の新車販売結果を明らかにした。総販売台数は2万0590台で、前年同月比は0.7%増と久しぶりのプラスとなった。
セールス回復の牽引役となったのが、クリーンディーゼル「TDI」搭載車だ。TDIの主力は『ジェッタTDI』で、2008年6月に米国へ初投入。ボディはセダンとワゴンの2種類があり、エンジンはフォルクスワーゲン自慢のクリーンディーゼル、直噴2.0リットル直4ターボディーゼル「TDI」(140ps、32.6kgm)を積む。
高い環境性能は、ジェッタTDIのセールスポイント。米国EPA(環境保護局)燃費は、市街地が12.75km/リットル、高速が17.43km/リットル。排出ガス性能は全米50州のディーゼル規制に適合している。
ジェッタTDIは、現地価格が2万2270ドル(約210万円)からということもあり、米国では発売以来、人気が高い。7月のジェッタの販売結果においては、セダンの40%、ワゴンの81%をTDIが占有。TDIを含めたジェッタの総販売台数は、セダンが9663台で前年同月比は8.5%増。ワゴンは2415台で、612.4%増という驚異的な伸びを示した。
また、フォルクスワーゲンは5月、『トゥアレグTDI』を追加設定。直噴3.0リットルV6TDIは、最大出力225ps、最大トルク56.1kgmを発生。EPA燃費は市街地7.23km/リットル、高速10.63km/リットル、価格は4万2800ドル(約400万円)からだ。もちろん、排出ガス性能は全米50州のディーゼル規制をクリア。このトゥアレグTDIのセールスも順調に推移しているという。
フォルクスワーゲンオブアメリカのマーク・バーンズCEOは、「7月下旬に開始されたCARS(カー・アローワンス・リベート・システム=スクラップインセンティブ)を利用して、1週間で3300人もの顧客が新車に乗り換えた。VWはTDIを中心に環境に優しい車種ラインナップをそろえる」と、アピールしている。