ソニーのポータブルナビ、『ナブ・ユー』シリーズに廉価版「NV-U3C」が追加された。小型のメモリーナビが普及するなか、ソニーがラインナップに加えた機種だ。特徴はそのサイズと、余分な機能を極限まで排除した3万6800円という低価格だ。その実力を試した。
◆ライバルはGARMIN!?
簡単にスペックを整理してみよう。モニターは3.5V型TFTアクティブマトリックス方式の液晶タッチパネルだ。画面解像度は320×240ピクセルとなっている。システム内蔵のフラッシュメモリは4GB。バッテリー持続時間は通常モードで約4時間、省電力モードで約5時間。外形寸法は、幅106mm×高さ78mm×奥行17mm、重さは約157g。
大きさはGARMINのポータブルナビ『nuvo205』あたりとちょうど同じくらいといえばいいだろうか。歩行者ナビとしての利用も意識しており、ストラップやキャリングケースなども付属する。
類似のポータブルナビと価格的にも競争力を保つため、外部GPSアンテナ、VICS・光ビーコンなどのオプションの接続ができなくなっている。また、ナブユーシリーズの特徴でもあった加速度センサなども内蔵しなくなり、GPSのみのナビゲーションとなる。
ナブユーシリーズは、ポータブル、後付け型でありながら、GPS以外のセンサ情報による精度の高いナビゲーションが売りだったのだが、それをスポイルさせてまで、小型PND市場の価格競争力にこだわった点は、やはり気になる。実際のナビ機能などを試してみた。
◆検索データは上位モデルに遜色なし
外付けのオプションやセンサ類はなくなったが、ナビの基本となる地図情報や登録済み目的地件数などは、上位機種とほとんど変わっていない。名称検索で1000万件、交差点のレーン情報、「号」までの住所検索、1万2000件のガイドブックデータ(グルメぴあ他)は、据え付け型ナビとほとんど変わらない。目的地の設定で、据え付け型のナビに劣る点は見当たらない。ガソリンスタンドやコンビニ、駐車場といったジャンル検索、周辺検索も同様だ。
ルートガイドもVICSによる渋滞情報がないだけで、案内方法や情報に上位機種との差はない。さすがにGPS測位だけだと、衛星ロストから回復したとき正しい自車位置と方向の認識が遅れたり、右左折での自車の追従が遅れたりするが、一般的なPNDや低価格メモリナビではそれが当たり前といえば当たり前だ。地図情報の精度と十分な登録施設数がしっかりしていれば、ナビとしての基本的な性能は問題ないだろう。
なお、音楽再生や動画再生はできないが、「メモリースティックデュオ」のスロットがついており、静止画(デジカメ画像など)の再生は可能だ。