トヨタの主力ハイブリッドカー、新型『プリウス』は、2代目から長足の進化を遂げた。まずは普通に運転したときの実燃費が大幅に向上していること。試乗会において様々な運転パターンを試してみた感触からは、東京都心での実用燃費はリッター25km程度と思われる。室内の広々感はそれほどでもないが、旧モデルに比べて採光性が非常に良く、とても開放的で明るい雰囲気だ。シャシーは旧型『カローラ』と旧型『ヴィッツ』を組み合わせたという旧型のものから2ランクほどアップし、欧州戦略車『オーリス』に使われている新「MC」プラットフォームを使用している。ロールを抑える固めのセッティングで、フラットな乗り心地ではないが、シャシーのグレードアップと相まって高速巡航時の安定性や緊急回避性能など、走りの基本部分は大幅に上がっていることは想像に難くない。新型プリウスが圧倒的な商品力の高さと、価格破壊ともいえる低価格戦略をもって、受注台数を信じがたいスピードで積み増しているが、プリウスが今のような技術パッケージで作られるのは、もしかするとこれが最後になるかもしれない。トヨタの次期プリウスの開発はまだ動き始めていないが、高性能なリチウムイオン電池を使うといった要素技術の刷新ではなく、クルマそのもののコンセプトチェンジに向かう可能性がある。製品企画主幹の北村嘉朗氏は、「トヨタにとって、ハイブリッド技術は非常に大きな強みを発揮できる分野であることは確かです。しかし、得意な分野にしがみついていると、いつの間にかそれが時代遅れになって、凋落してしまうことにもなりかねない」「たとえば欧州メーカーは、素晴らしいエンジンを作ることには本当に長けていましたが、その強みにこだわりすぎてハイブリッドに乗り遅れた。トヨタもまた、ハイブリッド技術の優位性ばかりに拠っていては、トレンドを外れ、同じような運命を踏んでしまうことだって十分にあり得る」と語る。昨年の原油高騰を経て、自動車業界では今、石油エネルギーの使用抑制、さらには石油を使わないクルマを目指す“脱石油”の模索がトレンドになっている。トヨタが脱石油で世界のトップランナーであり続けるためには、クルマ作りそのものを変えていかなければならないというのだ。
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