富士キメラ総研は、ITS(高度道路交通システム)の現状と将来動向を調査し、その結果を報告書をまとめた。そのなかで、自動車と道路側インフラを通信で結ぶ安全運転の支援システム分野は、インフラに問題があるため普及が遅れていると指摘している。
特に道路管理や交通流の最適化は、関連省庁が積極的に取り組んでいかなければならない分野で、「歩行者等の支援」も未だ普及段階に至っていないと指摘した。
ITS開発9分野のうち、ナビゲーションシステムの高度化、自動料金収受システム、安全運転の支援分野は普及段階にあるとしている。しかし、国の施策によって、遅れがちだったETCの普及が一気に進む兆しが出てきたが、裏を返せば、国が働きかけないとITSサービスは普及しないことを証明する形となってしまったとまとめている。
報告書「2009年版 ITS関連市場の現状と将来展望」は、ITS関連市場を「先進安全自動車(ASV)構成コンポーネンツ」「次世代道路システム構成インフラ」「ITS応用サービス」「シームレスなITSを実現する通信技術」「エネルギーITS・エコドライブサポート」の5分野46品目を本格導入時期の予測を重視しながら現状と将来動向を総合的に分析した。