「何もしないとミニミニバンや古臭い3BOXになってしまうディメンジョンを、どうやって存在感あるデザインにしようかと考えたときに、ロアボディとキャビンの比率というところに着目をしました」そう語るのは商品企画本部デザイン部リードデザイナー、磯村晋さん。
「まずは、とにかく大きく強い存在感のあるロアボディの塊を前から後ろまでズドンとまずはシンプルに一度通す。そういう作り方をして、次にタイトに割とスポーティに引き締まって見えるキャビンを乗っけることのコントラストで、全体のマスはあるけれどスポーティな雰囲気を出せないかということが、このエクステリアの比率の出発点になりました」
その考えのもとに、このディメンジョンの中でロアボディをどこまで厚くできるか、また、キャビンをどこまで薄く見せられるか(決して薄いわけではなく)をデザインした。ただし、今回は人間の着座位置が40mmほど上に上がっているということもあり、視界性能に関しては一切悪さをさせない、それは機能美といったところには一切悪さをさせないということでもあった。
そこで、たとえばサイドウィンドーまわりのメッキモールだが、これを使うことにより、黒の窓枠に比べ30mmほどキャビンが広がっているように見える。質感を向上させたいということでメッキモールを使用したが、このコントラストを作るうえでも役立たせるのが本音ではあったのだ。