フォルクスワーゲン(VW)『ゴルフ』の、今度のフルモデルチェンジ(日本発表9日)をひとことでいうと、キープコンセプトだ。ボディサイズはほんのわずか大きくなっているがプラットフォームは先代から引き継がれているし、パッケージング面では大きな変化は見られない。
そこで、ドイツの本社で研究開発部門 車両開発&試作担当専務を務めるハラルド・ルダネック氏に進化のポイントを尋ねてみた。「ユーザーが最初に感じ取れる部分は、新しいスタイリングでしょう。精緻なラインを織り込みながら、パワフルな外観に仕立てました」。
新しいゴルフは、ルーフを除きボディパネルが一新されている。長いルーフや車両後部で急角度に切れるリヤ、そして太いCピラーなどゴルフの特徴を生かしつつ、精悍になったフロントマスクや鋭いキャラクターラインなどで、よりモダンになった印象だ。
しかし、もちろん進化はデザインだけではない。「運転すればサスペンションの進化を実感できるでしょうし、聴覚を通して静粛性も感じていただけるでしょうね」。
「クルマの進化はオーケストラのようなものなのです。オーケストラは、いろいろな楽器が調和してはじめて美しい音楽が奏でられます。新しいゴルフも、すべてのディテールに細心の注意が払われて完成しているのです。お客様はきっと、進化を見て、感じられることでしょう」
「見た目がもっともわかりやすい」という言葉の裏には、「見た目だけじゃない、乗ればわかる」という開発陣の自信が隠れているように記者は感じた。