日産自動車は25日、新開発の燃料電池スタックを実験車両『X-TRAIL FCV』に搭載し、寒冷地での走行実験を開始したと発表した。
この新開発の燃料電池スタックは、2008年8月に発表されたもので、従来のスタックに対し容積を4分の3に小型化しながらも、出力は130kWと従来の90kWから1.4倍向上した。さらに白金の使用量を従来の半分に削減するとともに触媒の耐久性も高めて、大幅な低コスト化と長寿命化を図った。
日産は2008年末からこの燃料電池スタックを搭載した車両による走行実験を開始し、2009年2月には同社の北海道陸別テストコースで寒冷地実験を実施するなど、燃料電池車の商品化に向けた開発を推進している。
同社は、東京ビッグサイトにて開催される世界最大級の燃料電池展示会「FC EXPO 2009」でこの燃料電池スタックを出展する。
日産は今後も中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2010」に基づき、CO2排出量の削減に実効性のある技術、商品、サービスを開発し、市場に投入していく方針だ。