フォルクスワーゲン『パサートCC』の上級グレード「V6 4モーション」は、VW最速レベルのエンジンと4WDの「4モーション」を搭載。また、アダプティプクルーズコントロールやフロントモニタリングシステム、といった先進安全装備まで標準装備されている。
エンジンは、今年の9月に追加された『パサートヴァリアントR36』と同じ、299PS/35.7kg-mを発揮する3.6リットルのV6エンジンが搭載されている。このエンジンはV6ならではの滑らかな吹け上がりと、鋭いレスポンスで反応してくれる力強いトルク特性により、「2.0TSI」グレードより190kg重くなっているボディを軽々と引っ張ってくれる。その加速性能はヴァリアントR36を上回るほどだ。
ミッションには、6速DSGが組み合わされているので、マニュアルモード走行時は切れ味の鋭い俊敏なシフトワークを体感することができる。
駆動方式には、最新の4WDとなる「4モーション」を採用。従来はスタンバイ方式だったが、最新型では走行状況に応じて細かくトルク配分を行ってくれるので、あらゆる場面で安定感のある走りをもたらしてくれる。FFの2.0TSIと比べると、コーナリング中の接地感が高く、限界域からでもスムーズな加速が確かめられる。
乗り心地に関しても、V6 4モーションのほうが車両重量が重いこともあり、重厚感のある落ち着いた乗り味を手に入れている。
フォルクスワーゲンジャパン商品企画課の海谷博樹さんは「V6 4モーションにはアクティブセーフティに貢献してくれる、ミリ波レーダーを用いたアダプティプクルーズコントロールや、先行車との衝突の危険性を音とステアリングの振動により2段階で警告するフロントモニタリングシステムが標準装備されています」
「またHDDナビは全車に標準装備されていますが、V6 4モーションにはディナウディオ社製の高級オーディオも標準装備されていますので、より上質なサウンドが楽しめます」とコメント。
ベースグレードの2.0TSIとV6 4モーションの価格差は102万円ほどあるが、装備内容を比べるとむしろV6 4モーションのほうが割安に感じてしまう。2.0TSIでも、パサートCCの魅力は十分に味わうことができるが、予算に余裕があれば走りの実力がワンランク以上高く、安全装備が充実したV6 4モーションのほうをおすすめしたい。