独BASFはこのほど、高耐熱性樹脂『ウルトラミッドA3WG10 CR』の量産化を開始した。同製品はプジョー『308SW』の車体用インサート材として初めて採用され、従来のものより軽量なのはもちろんのこと、耐久性と強度に優れている。
しかも、BASFのCAE解析技術であるガラス繊維配向の影響を考慮した「連成シミュレーション」により、その機械的特性が正確に把握できるようになっており、衝突ふ化を受ける部品の設計や機能性評価をコンピュータ上で行うことも可能になる。
プジョー308SWでは、テールゲートのヒンジ部の構造用部材に、プラスチック骨格と2個の金属タブ、シーカリインフォーサー製の発泡体からハイブリッド構造体が採用された。これによって、車体構造の補強、エネルギーの吸収、局部的な剛性が一段とアップすることになったという。
BASFでは、「ウルトラミッド」が車両の軽量化で突破口的な素材となると見ており、今後、欧州メーカーを中心にその採用が広がっていきそうだ。