VWが初めてコンパクトSUVの市場に参入するモデルという触れ込みのモデル。といってもコンパクトなのは全長だけで、1800mmを超える全幅は日本では大きなものである。
搭載エンジンは最近のVWがガソリンエンジンに採用している過給器付きの2.0リットル直噴仕様。『ゴルフGTI』では147kWを発生するが、ティグアンでは125kWに抑えられている。SUVにはトルク重視のチューニングが似合っているが、近いうちに147kW仕様も追加されるらしい。いずれにしても125kWでも重量に対して十分な性能が確保されている。
ワインティングなどを走っても、ちょっとスポーティな乗用車に乗っているような感じを受けた。それでいてオフロードコースでの試乗でも想像する以上の高い走破性を実現してくれた。同時にヒルデセントやヒルホルダーなどに新しい機能が追加されている。
気になったのは足回り。やや硬めの味付けで、オンロードの荒れた路面での乗り心地はもうひと工夫欲しい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
松下宏|モータージャーナリスト
1951年群馬県前橋市生まれ。立命館大学卒業後、自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者などを経て自動車評論家として独立。クルマそのものより、クルマとクルマに関係する経済的な話題に詳しい評論家を自負する。購入ガイド系の記事を中心に、クルマ雑誌各誌、インターネットなどに執筆中。1991年から日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。