マツダが8日発表した新型ミニバン、『ビアンテ』のパッケージングにはライバル車種と大きく違う点がある。それは3列目シートの格納方法で、ビアンテの3列目は前方にロングスライドさせる方式をとっている。
かつて『ボンゴフレンディ』やトヨタ『グランビア』などが、この方式を採用していたが、大きな物を積む際に不便ということで、最近のミニバンでは、3列目は跳ね上げ式が主流となっている。
トヨタ『ヴォクシー』/『ノア』や日産『セレナ』、ホンダ『ステップワゴン』などは、5:5分割の左右跳ね上げ式を採用している。
ビアンテの開発責任者を務めた清地秀哲さんは「ビアンテのパッケージングは最大荷室の奥行きスペースを稼ぐよりも、普段の広々とした座り心地や、シートアレンジの扱いやすさ重視しました。」と語る。
清地さんは「2列目は753mm、3列目は842mmものロングスライドが可能ですので、乗車している定員の数や積荷の量によって、簡単に居住スペースを調整することが可能となっています。」
「3列目に人が座っていないときには2列目を思い切り後に下げることで、2列目の前には863mmもの空間が生まれますので、くつろいだ姿勢で座ることができます。また、2列目は『MPV』や『プレマシー』と同様に左右のシートを85mmずつ横にスライドさせることができますので、中央をウォークスルーして3列目にアクセスすることも可能です」とコメント。
実際にビアンテのシートレイアウトは乗員の数や荷物の量によってフレキシブルにアレンジすることができ、操作もスライドさせることが主なので女性や子供でも簡単に操作することができる。
ラゲッジルームを広げる際には3列目の座面を跳ね上げることが可能で、2列目も同時に前方にスライドさせれば、さらに荷室容量を増やすことができる。バックドアから自転車などの大きなものを積むのには不利なパッケージングではあるが、2列目をもっとも下げればスライドドアから2列目の前に小さい自転車ぐらいなら積むことができそうだ。
頻繁に居住スペースと荷室の広さの割合を調整したい人にとっては、このロングスライド方式のほうが楽にアレンジを行なうことができるので、少なからずニーズはありそうだ。