【池原照雄の単眼複眼】税制改革フォーラムが報道関係者に緊急アピール

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◆納税者不在の議論に「ちょっと待った!」

JAF(日本自動車連盟)など自動車関係21団体で構成する自動車税制改革フォーラムが2日、東京の帝国ホテルでトークショー「ユーザーにも言わせろ!クルマの税金」を開催した。

道路特定財源の2009年度からの一般財源化が閣議決定され、早くもその使途が取りざたされている。しかし、肝心の納税者は置き去りにされており、「ちょっと待った!」とばかり、このイベントが開催された。

税制改革フォーラムのイベントは、一般ユーザーを対象にすることが多いが、2日は報道関係者向けという異例のものとなった。マスメディアでは、「ドライバー=国民」と単純化して、暫定税率のままの一般財源化を容認する論調も少なくない。そこで、報道関係者に改めて自動車税制の実情を理解してもらおうというイベントになった。用意した120席の会場はほぼ満席だった。


◆2重課税の「取得税」など2税は廃止を

パネリストとして出席した早大商学学術院の杉山雅洋教授は、道路財源は「受益と負担」を原則としてきた経緯から、一般財源に回すのであれば「課税根拠を失うし、自動車を多く保有する地方住民に負担を強いる不公正税制になる」と指摘。自動車ユーザーだけから一般財源を徴収するのは「納税の論理」が成立せず「民主国家とはいえない」と批判した。

クルマ税に関する著書もある演出家のテリー伊藤氏は、消費税を含むと9種類に及ぶ自動車税制の簡素化に的を絞って訴えた。具体的には「消費税と2重課税になっている『自動車取得税』、すでに道路財源があふれている『自動車重量税』の2税の廃止」を挙げた。

伊藤氏はユーザーの過重な負担による自動車販売の低迷は、「日本が世界に誇る自動車の環境技術などを弱体化することにもつながる」と、産業政策論も展開した。


◆今年見直さないと未来永劫に温存

日常の業務を通じてユーザーと接する立場にある日本自動車販売協会連合会の深津泰彦法規・税制委員長(東京トヨタ会長)は「暫定税率が導入された当時は道路はまだ不十分だったし、自動車市場も拡大し、負担する力があった」と、特定財源の経緯を振り返った。

そのうえで、道路整備が進んだ現状や自動車市場の縮小といった「環境変化を考慮し、(自動車税制は)徹底的に見直す時期に来ている」と強調した。深津氏は「今年の税制見直しで現状のまま一般財源化されると、未来永劫に古い時代の税制が温存される」と、強い危機感も表明した。

税制の抜本改革は、「消費税率の引き上げ」で対応すべきという方向でパネラーの見解は一致した。道路特定財源の一般財源化など自動車諸税の行方は今秋までに決着する。将来に禍根を残さないためにも、改革フォーラムには今後も引き続き納税者の声を集約する運動を展開してもらいたい。
《池原照雄》

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