【池原照雄の単眼複眼】トヨタ iQ はプレミアムコンパクトとして登場

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高岡工場の革新ラインで生産へ

トヨタ自動車が今年末ごろの投入を予定している「超高効率パッケージ」のコンパクトカー『iQ』の概要が明らかになってきた。

注目のパワートレインは、ガソリン車が1.0リットルと1.3リットルエンジンを搭載、1.0リットルのモデルは1km走行当りのCO2(二酸化炭素)排出量が100gを切る環境性能をもつ。一方で販売価格は「プレミアムコンパクト」と言ってよいほど、やや高めの設定になりそうだ。

トヨタはジュネーブモーターショーにiQの量産モデルを出品、2008年内に日本で生産開始する計画も明らかにした。関係者によると生産工場は『ヴィッツ』など小型車の主力拠点である高岡工場(愛知県豊田市)になる。ラインの長さや部品供給のリードタイムを大幅に短縮した新鋭の「革新ライン」で組み立てを行う計画という。

◆欧州向けには1.4リットルのディーゼルも

iQの最大の特徴は、軽自動車より約40cm短い2.985mの全長に大人3人と子供(または荷物)が搭乗できるというパッケージ。タイヤを可能な限り4隅に配置するため、車軸からボディー先端部および後端部までのオーバーハングを切り詰めて、広い車室空間を確保した。

通常、エンジンはミッションより前部に置かれるのだが、iQはコンパクト化したミッションをエンジンより前部に配置することで、フロントオーバーハングを短縮した。リヤオーバーハングは、ホンダが初代『フィット』から導入したガソリンタンクの床下配置を採用するなどで切り詰めている。

エンジンはガソリン2タイプのほか、欧州向けには1.4リットルのディーゼル車も設定する。ガソリン車でCO2排出が100g未満(1km走行当り)という排ガス性能からは、高い燃費パフォーマンスも想像できる。

◆環境性能への「対価」を織り込む

日本の10・15モードでは1リットル当り30kmを超える可能性が高い。トヨタの環境対応技術はハイブリッドがシンボルだが、伝統的な内燃機関での「実力」もiQで示すことになる。

一方、価格設定では「排気量やボディサイズがこうだからという考え方を崩したい」(開発部門担当の岡本一雄副社長)という。つまり、安くはない。従来の国産リッターカーから想像される水準を相当超えるものになるわけで「環境性能への対価」(同)を反映させる方針だ。

当面、iQが投入されるのは日欧の成熟市場となる。需要が伸び悩むなかで、廉価なコンパクトだけでは流通部門も疲弊してしまう。iQはそうした事情にも配慮した「プレミアムコンパクト」となる。

《池原照雄》

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