3 | 異国での再会 |
かわって先日イタリアの我が家でのことである。テレビのチャンネルをカチャカチャやっていたら、あのドイツ・クルマ当てクイズが放映されているではないか。衛星テレビ局にも配信されているらしい。
ただし今度はルールがちょっと違った。「名前にAが入っていない自動車ブランドを挙げよ」と書いてある。「挙げよ」と言っても、今度は最初から考えなくていいらしい。脇のボードには、クロスワードパズル状にアルファベットが散りばめられていて、その中から視聴者がブランド名を発見する仕組みだ。司会の女性も、若干若くなっている。
やがてお姉さんのもとに、視聴者から電話がかかってきた。まず「VOLVO」、次いで「FORD」が当たり、司会のお姉さんによると正解者には300ユーロがプレゼントされた。そこまでで約20分。次の正解者には500ユーロだという。
だが以前観たのと違って、今日はスタジオの電話がパタリと鳴らなくなった。お姉さんも水を飲んだりと手持ち無沙汰になってゆく。しばらくして次の答え「PEUGEOT」が当たったが、またまた電話が続かず、膠着状態に陥った。
やがて番組終了が近づき、お姉さんはカウントタダウンが始めた。するとどうだ。突然電話が鳴り、電話の向こうの声は「LOTUS」と答えて幕となった。賞金は1250ユーロである。
しかしその電話、締切りわずか5秒前だった。偶然と信じるのが娯楽の掟なのだろうが、少々リアリティが薄い。結果として、ボクとしてはドイツで観たバージョンを超える内容ではなかった。なにしろ今回のお姉さんは、番組の最後まで着衣のままだった。