【池原照雄の単眼複眼】09年にブレークするHV市場

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次期 プリウス と新型専用車を全系列扱いに

ハイブリッド車(HV)が2009年には世界的に一大ブレークとなりそうな気配だ。トヨタ自動車やホンダといった先行する日本勢に加え、欧米メーカー各社が同年から本格的に市場参入するからだ。日本市場でもトヨタとホンダの新モデル投入が予定されており、一気に需要の底上げが進みそうだ。

トヨタは09年に2つのHV専用新モデルを投入する計画。ひとつは春ごろに出る3代目の『プリウス』、もう1台は夏に投入される上級の新型専用車で、いずれもトヨタブランドとなる。

新型プリウスはこれまで来年春の投入と観測されていたが、それより1年遅くなり、一段の改良が加えられる見通しだ。新型車の投入を機に、現在、日本国内では「トヨタ」「トヨペット」の2系列となっている扱いチャンネルを、トヨタ系4系列すべてに広げるという。

◆ホンダも CR-Z ベースなど2車種を投入

トヨタは、もう一方の上級専用車も全系列扱いとし、専用モデル2機種との相乗効果で、一気に販売の拡大を図る方針だ。2010年代の早期にHVの世界販売100万台という目標に向け、ホームマーケットでの攻勢が始まる。

一方、ホンダもこの年にHV専用モデル2車種を発売する。『シビックハイブリッド』より小型のファミリー向け専用車を投入するほか、東京モーターショーにコンセプトモデルとして出品した『CR-Z』ベースのスポーツ車を商品化する。

両社とも燃費性能を一段と向上させるとともに、コスト低減も大きく前進させるはずだ。同クラスのガソリンエンジン車との価格差について、トヨタの渡辺捷昭社長は「従来の半分」、ホンダの福井威夫社長は「20万円程度」と目標を示している。

◆09年には国内HV比率5%台も

それでもなおHVの割高感は残るものの、ライフサイクルの間には確実に燃費性能で取り戻せる水準まで下げてくるのではないか。「150円ガソリン」の時代が続けば、HVへの注目度は今以上に高まる。

日本自動車工業会のまとめによると、06年度の国内HV出荷は、前年度のほぼ1.5倍に相当する9万0410台だった。今後もこのペースで伸びると09年には30万台規模となる。08年度までの2年間は伸びがやや鈍化しそうだが、新モデルが相次ぐ09年にはそのレベルが期待できる。

同年のクルマ総市場を06年度並みの560万台とすると、新車販売のHV比率は5%を突破する。街中でも相当目立つ存在になり、多くのユーザーがHV時代の本格到来を実感することになろう。

《池原照雄》

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