ドライブレコーダーが記録したデータは後日に分析が行われ、運転手ごとに「安全上、どこに問題があるのか」ということがグラフなどで示されることになる。危険挙動はなくとも、急ハンドルやペダルワークに問題がある場合が多々だという。
「ドライブレコーダーのログをグラフにすることで初めてわかるクセというのも多いんです」と、東京海上日動リスクコンサルティングの八田恒治さんはいう。低速域では安全運転だが、高速道路に入ると頻繁な車線変更を繰り返し、急な加減速が多くなるドライバー。それとは逆に高速域はおとなしいが、街中走行では運転の粗さが目立つドライバーなど。10人いれば10人とも違うグラフが出てくる。
「もちろんドライブレコーダー本来の役割も果たしています。急ブレーキを掛けた際には映像を記録していますが、それはコンサルティングを依頼してきた会社の近所で起こることが多いわけです。“こういう危険な状況が発生しますよ”ということを示す映像資料はたくさんありますが、身近なところで起きた危険ですから、ドライバーに対しても説得力があるわけです」と八田さん。
会社の近所で起きた事象であれば、ドライバー同士が「そういえばあそこの交差点は危険だよな」などと話しあう余地も生まれる。こうして危険情報を共有することによって、新たな事故の発生を防ぐということもできるようになるというわけだ。