東京海上日動、AI導入で自動車事故保険金の不正請求抑止へ

不正検知システムのイメージ
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東京海上日動火災保険は米メトロマイル社と連携し、契約内容や事故の申告状況等から、AIが保険金の不正請求を早期検知する取り組みを2021年10月から開始すると発表した。

保険金不正請求の対策は、損害保険業界全体の重要課題となっているが、その一方、不正請求の手口は複雑化・巧妙化し、その対策には不正な手段への幅広い理解と高度な専門性が求められている。

今回、東京海上日動は不正請求への対策強化を目的に、米メトロマイル社と協業。メトロマイル社が有する不正請求検知のソリューションに、東京海上日動がこれまで培ってきた不正請求への対応のノウハウを組み合わせた新たなAIを開発した。

新たなAIは、膨大な保険金支払データを分析し、不正請求と相関関係の高い事案を早期に検知・抽出する。具体的には、契約内容や事故の申告状況等から、不正請求に繋がる可能性がある要素を抽出し、事案ごとにスコアリングを実施することで、より慎重に精査が必要となる事案を迅速に把握。これにより、保険金支払い担当者は、スコア(不正検知結果)やスコアを構成する要素の情報を参考にして具体的な事案への対応に活かすことができる。

保険金支払い担当者はこれまで、1件1件事案ごとに不正請求と相関関係があるかどうかを確認していたが、事案ごとにメリハリの効いた対応が可能となる。不正請求の可能性が高い事案に対してはより慎重に対応するとともに、疑いのない事案に対しては、これまで以上に顧客に寄り添った対応を行うなど、損害サービス品質のさらなる向上が実現できる。

東京海上日動では今後、自動車保険以外の火災保険や傷害保険等にも、AIによる不正検知の取組みを随時導入していく。また、他の先進技術と組み合わせることで、不正請求の疑いがないと判断できるAIの精度をさらに高め、早期に保険金が支払い可能となるケースを特定する技術開発も進めていく。

《纐纈敏也@DAYS》

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