全幅は5ナンバー枠をオーバーする1725mm。搭載エンジンは、1.5リットルのほかに1.8もラインナップ。こうやって特徴を並べてみると、今までのコンパクトカーとはやや離れたポジションにいることがわかる新型トヨタ『イスト』。
はっきりいって、ライバルが見当たらない。「(ライバルは)ほとんど考えていません。」というのは、開発をまとめた商品開発本部第2トヨタセンターの三浦清克チーフエンジニアだ。
「あえていえば1.8を載せているという意味で日産『ティーダ』ですが、ティーダはもう少し年配の人を狙っていると思いますし、いわゆるハッチバックの基本なので、(亜種的なモデルである)イストとは違うと思います」
たしかに全幅もエンジン排気量も、拡大した理由としてはサイオン『xD』という兄弟車が大きく影響していることは間違いない。なにせ、アメリカでは全幅1725mmとエンジン1.8リットルで充分に“コンパクト”なのだから。
しかし、コンパクトカーだからといって、まわりと同じボディサイズにあわせる必要はないし、同じエンジン排気量である必然性もない、とレポーターは考えている。だから、中には目くじらを立てる人もいるだろうし、「コンパクトと言っていいのか?」という疑問もないわけではないが、新型イストのスペックも選択肢のひとつとしてはアリだと思う。
いずれにせよ今回のイストで注目しておきたいことのひとつは、これまでのコンパクトカーの固定概念から一歩抜けた存在だということだろう。