【神尾寿のアンプラグド特別編】FeliCaが繋ぐ「クルマと公共交通」 大阪でパーク&ライド

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7月2日、大阪市交通局、大阪メトロサービス、パーク24、日本信号が、FeliCaを使ったIC乗車券システム「PiTaPa」を使ったパーク&ライドサービスの実証実験を開始した。パーク&ライドの取り組みは日本各地で始まっているが、FeliCaのIC乗車券システムと連携し、公共交通の利用履歴を使うものは全国初。

今回、実験が行われるのは、パーク24が運営する「タイムズ住之江公園駅前」駐車場。大阪市交通局の発行する「OSAKA PiTaPa」の乗車履歴情報を、タイムズの駐車場料金精算システムと連携させることで、"鉄道・バスを使った利用者"向けの駐車料金を一律200円割引。さらに駐車場料金支払額の5%相当分を、OSAKA PiTaPaポイントとして付与する。なお、今回のサービスが利用できるのは、「OSAKA PiTaPa」(発行枚数9万枚)のみであり、他のPiTaPaカードは利用できない。


◆パーク24の高機能型駐車場とIC乗車券が連携

今回のパーク&ライドサービスは、タイムズの発行する会員カード「Times Club Card」と、OSAKA PiTaPaが持つFeliCaカードの拡張機能「FeliCaポケット」を連携させて使う。

パーク&ライドサービスを受けるには、まず最初に駐車場内の事前精算機でOSAKA PiTaPaとTimes Club Cardの情報を連携させる「サービス登録」を行う。登録作業は初めて使う時だけなので、2回目以降は必要ない。

パーク&ライド割引は、駐車場利用と同じ日に最寄りの住之江公園駅での鉄道もしくはバスの利用履歴があれば適用される。事前精算か出場時の精算で、駐車券とTimes Club Cardを精算機に入れ、その上でリーダー/ライターに「OSAKA PiTaPa」のカードをかざすと、OSAKA PiTaPaカード内に記録された利用履歴情報が参照されて、割引対象かどうかが判別される仕組みだ。

なお、今回のシステムでは、FeliCaによる決済には対応していないため、OSAKA PiTaPaカードによる割引処理後、駐車料金の支払いは現金かクレジットカードで行う必要がある。OSAKA PiTaPaカードはクレジットカードとPiTaPa機能が1枚になった一体型カードなので、割引処理とリーダーライターにかざしたあと、クレジットカード挿入口にいれれば、1枚のカードで割引と決済の両方を済ますことが可能だ。


◆公共交通の利用履歴連携で、低コストで柔軟な運用が可能

今回のパーク&ライドサービスはまだ実証実験のため、利用時に駐車券とTimes Club Card、OSAKA PiTaPaカードが必要になり、操作がやや煩雑な印象は否めない。だが、将来的にこれらの機能が1枚のFeliCaカードにまとまっていけば、面倒な手続きや操作なしに「駐車場にクルマを置いて、公共交通に乗り換えるとおトクになる」シームレスなサービスが実現できるだろう。

また、パーク&ライドの運用システムが、FeliCaのIC乗車券システムと連携しているので、無人運用が可能なのも見逃せない。駅や駐車場の運営において、オペレーションの負担をかけずに、しかも不正利用のリスクがない運用が可能だ。さらに今後、IC乗車券の利用区間情報や利用回数情報と連携できるようになれば、より柔軟なパーク&ライド料金の設定も可能になるだろう。

日本ではなかなか根付かないパーク&ライドであるが、都市の交通渋滞や慢性的な駐車場不足を解消する手段として、郊外駅で“クルマから電車・バスに乗り換える”仕組みは有効だ。また将来、都市中心部にロードプライシング制度を導入する上でも、利用者が納得できる料金プランと運用が可能なシステムの模索は重要だろう。今回の実証実験は2009年3月31日まで行われるので、その経過に注目していきたい。
《神尾寿》

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