新型トヨタ『ヴォクシー/ノア』には、今後のトヨタの主力エンジンになっていくと思われるバルブマチック付きの新開発エンジンがいち早く搭載されている。
バルブマチックはBMWのバルブトロニックと同じように、スロットルバルブで吸入空気量をコントロールするのではなく、吸気バルブのリフト量を変化させることで吸入空気量を調整するシステムが組み込まれている。
スロットルバルブは一定の開度なので、アクセルを開けた際のポンピングロスが少なく、燃費を向上することができるというシステムだ。
新型ヴォクシー/ノアのチーフエンジニアを担当した水澗英紀さんは「バルブマチックの採用は、燃費性能を高めることが第一の目的です。10・15モード燃費はバルブマチックの付かないエンジンと1リットルあたり0.8kmの差ですが、実用燃費ではさらに違いが出るはずです」
「また、バルブマチックの付かないエンジンも新開発になっています。このエンジンは最高出力が先代の155psから143psに下がっていますが、実用域のトルクは新開発エンジンのほうが高まっているので、あらゆる状況で先代以上の走りを披露してくれます」
「新型ヴォクシー/ノアはカタログスペックよりも、実際のドライブフィーリングや実用燃費を重視して開発しています」という。
実際にスペックを見た限りでは、バルブマチック付きエンジンの10・15モード燃費は先代と同じ14.2km/リットルで、最高出力も3ps向上しただけの158psとなっているが、最大トルクは最高出力以上に向上しているので、実際のドライバビリティは水澗さんのいうような性能を発揮してくれるに違いない。