2 | イカケウエキ |
そうした“トラッドもの”とは別に、最近増えているのは、ドイツ系ディスカウントスーパーなどで、“新興もの”だ。 それらの包装に共通するのは、「もはや日本語ではない」ということである。
「イカケウエキ エツスウ」というカタカナが並んでいる。「射掛植木閲数」など、いろいろな漢字を当てはめてみたが、どうやっても理解できない。
日本ではときおり外国語通と称するセンセイが、「ネイティヴに通じない外国語が溢れていていかん!」と嘆く。しかし、ノリがよければいいじゃんというノリは、実はこちらにも存在するのである。もちろん、ここまでに紹介したどれひとつメイドイン・ジャパンはない。
3 | 「京子」が頼り |
そんな擬似日本商品が溢れていても、やはり日本人である。本物の日本の食品がほしい。ボクが住んでいるシエナの町内でも海苔や醤油が、60km離れたフィレンツェでカレーなどは買えるのだが、いずれもアジア食料品店が片手間に仕入れる品である。
そこで1200km離れたパリに仕事に行ったついでに、日本食を買い貯めする。もちろんミラノやローマにも日本食を売っている店はあるが、クルマで数時間かかる。そのうえ、パリ・オペラ座界隈の日本食料品店の商品充実度には目を見張るものがある。なにしろ納豆が空輸されてくるのである。
先日もパリ・レトロモビル取材の帰り、パリ屈指の日本食料品店『京子食品』で買い出しをした。帰りのスーツケースはソバや味噌に占領された。