全長は5mを超えるのに、外見上はそれほど大きさを感じさせず、実際に運転してみても、大きなSUVに乗っているような感じはしない。このデザインで、3列シートのパッケージングを実現している点はさすがだ。
さらに『Q7』のエクステリアデザインは、従来のSUVにありがちな、泥臭さや威圧感のようなものも皆無。これぞ真のプレミアムSUVといえる品格がある。
実際に走らせてみても、アウディの大型サルーンをドライブしているような、高い快適性が感じられる。とくにオプションのアダプティブエアサスペンション装着車は、各モードに応じて秀逸な乗り味を見せてくれる。
エンジンはガソリンV8の4.2リットルなので、車重からして少々トルク不足が感じられるが、6速ATのティプトロモードを使い3000rpm以上をキープすれば、軽快な走りを引き出すことも可能だ。
価格は1千万円に限りなく近いが、同じV8エンジンの『A6オールロードクワトロ』と大差ないプライスタグを掲げる。Q7を選ぶほうが、出費以上の高いプレミアム感を味わうことができるだろう。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★☆☆☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★☆☆
岡島裕二|モータージャーナリスト
20歳代前半にレースの参戦資金調達のために自動車専門誌出版社に勤務。その後ウェブ編集者を経て、2003年よりフリーモータージャーナリストに転身。レース経験を生かした試乗インプレッションと、貧乏生活から芽生えた価値観をもとに、クルマの本質を鋭く分析。